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中部地方某山域・(2025年2月下旬発生)

  • 執筆者の写真: 陽介 深澤
    陽介 深澤
  • 4月22日
  • 読了時間: 2分

更新日:5月2日

1. 概要

捜索現場の地形

山域全体が植林地。急斜面では土壌の浸食が激しく露岩やガレ場での落石が著しい。

また、沢沿いでは地形図では表示されていない滝も複数ある。



2. 発生状況と経緯

遭難者は、山域近くの温泉施設に車を駐車し、登山を開始。

当初の登山計画では午前8時に出発予定だったが、計画を変更し、実際には正午ごろに登山を開始した。


山頂までは順調に登頂していたものと思われ、山頂で休憩を取った後に下山を開始した。

この山頂は非常に平坦で、正規の登山道の入口と、林業に利用される踏み跡の分岐が視認しにくい、非常に分かりづらい地形である。


遭難者は誤って整備されていない尾根の踏み跡を進み、その後沢筋に迷い込んだと推定される。

山頂:左側に進むと西尾根に進んでしまう。
山頂:左側に進むと西尾根に進んでしまう。
倒木はあるが進んでいくと林業用のピンクテープも木にまかれており、登山道の目印と見間違えてしまう。
倒木はあるが進んでいくと林業用のピンクテープも木にまかれており、登山道の目印と見間違えてしまう。

3. 原因分析

直接的原因

・正規登山道を逸脱したことによる道迷い

・沢筋に入り込み、滑落と見られる状況下での死亡

間接的原因

・登山開始時刻の大幅な遅れ(12時出発)

・冬季特有の危険性(早い日没、気温低下)

・平坦な山頂における登山道の分岐が視認しづらい地形



4. 対応・捜索活動

初動対応

・家族からの連絡により警察による捜索が開始されたが、発見には至らず。

民間捜索活動

・発生から7日後、民間山岳捜索チーム「マウンテンワークス」が捜索を開始。

・捜索3日目に、山の南側の沢筋を遡行し、入渓から約1時間半進んだ標高約430mの地点で、約15mの滝の下にて遺体を発見。

遭難者発見現場
遭難者発見現場
約15mの滝
約15mの滝

5. 捜索エリアと発見場所

入山口:S   下山予定地:G

青線:遭難者が計画していた登山ルート(登り・下り)

赤線:遭難者が実際に歩いたと推定されるルート(下山時)

✖印:遺体発見地点(標高約430m、約15m滝下)

緑線:民間捜索チームによる捜索範囲





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