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​山岳救助捜索活動方針

上空からの捜索について

 

山岳遭難の行方不明事案は近年増加の傾向にあります。これは近年の登山ブーム、山岳会組織率の低下などが原因に挙げられます。
行方不明者の捜索には、各県警航空隊や各県防災などのヘリコプターによる上空からの捜索が最も効果的です。しかし、標高が3,000mに満たない国内の多くの山域では、山頂付近の稜線まで樹林に覆われている場所が多く、ヘリによる捜索が有効でない場合も多々あります。また行政機関の山岳捜索には、一定の期限があることはやむを得ません。
民間のヘリコプター会社による行方不明者の捜索は、原則的には現在行われておりません。

 

家族の心情を汲み取り、迅速な出動と早期発見を

 

このような事情から行方不明者の捜索が進まず、ご家族がやり切れぬ心情を抱えている場合が数多くあります。「一刻も早く見つけてほしい」というご家族の切実な思いがあっても、残念ながら捜索打切りとなる場合もあり、残されたご家族がそれ以上行方不明者を捜索するすべを持たぬまま、月日が経過してしまう現実もあります。
当組織では、遭難直後から発見に至るまで、ご家族のご要望を伺いながら、長年培った経験と強い意志で真摯に対応し、迅速な出動と早期発見を目指します。

 

遭難の現場に立つということ

 

遭難者の居場所が把握出来ていない場合、地上から行方不明となった山域に入り、遭難が発生したポイントを絞り込む必要があります。山岳環境は天候や季節とともに変化しやすいため、早期における現場の状況把握は、捜索時の最大の手がかりとなります。
登山道上の道迷いポイントや滑落ポイント、滑落痕やトレースの有無などの把握と、行方不明者の心情や行動を照らし合わせ、遭難場所の特定を進め早期発見に繋げます。

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