TATICS

​山岳救助捜索タクティクス

情報収集の徹底

 

ご依頼者様やご家族の同意の上、情報の収集を徹底して行います。特に行方不明者の性格、職業、登山経験、登山の方向性、装備の内容、家族構成、遭難当日の天候、遭難前後の天候、SNS利用の有無などから、登山中の行動の特性を読み取るよう努めます。また、より詳細な行動の把握のため、山仲間や親しいご友人などへの聞き取りを行うこともあります。

情報収集には、ご家族のご協力が必須です。詳細について、「山岳救助捜索フロー ③ ご家族やご依頼者様へのお願い。早急に行うべきこと。」をご確認ください。

 

捜索状況の視認化と共有

 

捜索の状況を視認化します。特に捜索活動中の撮影、GPSによる歩行ログの記録、文書による捜索報告書を毎回作成し、捜索依頼者と共有します。
各県警本部を始めとした行政機関の山岳救助組織と捜索状況の情報を共有します。

 

ドローンによる捜索

 

現場の状況により、ドローンの使用の有効性を判断します。ドローン利用が有効と思われる捜索には必ずドローンパイロットが同行します。管轄行政の許可の下、発見の可能性が高い現場付近まで機体を持ち込み、低空飛行による撮影を行い、行方不明者や所持品の発見を模索します。

当チームでは2013年よりドローンの運用を始め、2015年より行方不明者の捜索のためのドローン運行を開始しています。2018年には、八ヶ岳阿弥陀岳での捜索時、ドローン映像解析により行方不明者を発見しています。ドローンでの行方不明者の発見例としては国内でも数少ない貴重な事例となっています。

現在、4名のドローンパイロットが在籍しており、そのうち2名が山岳ガイド資格保有者、他の2名は山岳撮影を専門としたカメラマンです。

国内には様々な業種のドローン事業者があります。山岳遭難では山の行方不明現場で、ごく低空でドローンを飛ばす必要があるため、少なくとも現場までドローンを背負って行く必要があり、登山とドローン操縦を高いレベルでこなせるパイロットでなければなりません。

登山口の車の横で高い高度でドローンを飛ばして捜索をされる業者様をお見かけしますが、実効性には疑問があります。また樹木が生い茂った山域、季節でのドローン捜索も実効性はありません。

当チームでは、ドローンの実効性の有無は慎重に判断し、捜索に有効性が無い場合は、ご家族に無駄な予算負担を強いることになるためドローン捜索の提案はいたしません。

 

 

有効的な捜索のための研究や研修

 

過去の遭難事例の研究、各山域の調査を日々行っています。
遭難者が登山道の上にいることは基本的にはあり得ません。特に行方不明者の多くが沢の中で発見されることが多く、捜索には沢登りの経験と技術が必要となります。当組織では、捜索に必要とする技術研修を定期的に行なっています。一定の登山経験、およびクライミング能力を持つ隊員のみが捜索に出動いたします。

 

捜索犬の利用について

 

行方不明の現場の状況によっては、捜索犬を出動させます。

山岳での行方不明者の捜索に使われる犬は、災害現場などでの救助犬とは違う役割を求められます。山岳では、どこにいるか分からない不明者を山の中を歩き回った末に見つけ出さなければなりません。山中にて長時間行動できる体力、匂いに反応し追跡する好奇心、ハンドラーとの適切な距離感を保てる行動力が求められます。

犬の嗅覚は、人間の数万倍とも言われています。この嗅覚において人間より優れる犬を捜索に使うことは非常に合理的と言えます。犬の能力が最大限に発揮できるよう、私たちは、犬たちとともに日々トレーニングを積んでいます。

​(捜索犬の利用について 詳細はこちらをご覧ください。 https://www.mountain-rescue.net/post/mountian-search-dog