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1.概要

【捜索現場の地形】

沢沿いの登山道にはわさび棚があり、林業用の仕事道以外にも踏跡が所々に見られる。登山道を外れた所では急斜面や巨岩などもあり、地形図だけでは読み取れない地形の複雑な山域である。また、登山口周辺はキャンプ場や釣り堀もあり、登山者以外の利用も多く、地域の方の生活の一部である里山といえる。

 

 


2.発生状況と経緯

・5月3日(土)午前5時頃「登山へ行く」と言い残し、自宅を出発。 建物の防犯カメラに

 より、午前5時の外出が確認されている。 以降、本人との連絡が取れなくなる。


・5月9日(金) 滞在先の大家さんがSNS内のグループにて、遭難者の行方不明を公表。 す

 でに警察に通報済みであり、各関係機関へも相談済。


・5月13日(火) 行方不明から10日が経過。大家さんが再度SNSに投稿。 各関係機関及び

 警察が合同で捜索を行っていると説明。 遭難者のご家族も、翌14日朝からの捜索に参加

 予定と報告。 一般協力者に対して「山域の最寄駅に集合」と呼びかけが行われた。


・5月14日(水) 関係メディアが本件を一斉報道。 関心が高まり、ネット上で捜索協力や

 登山アドバイスが相次ぐ。

 


 

3.原因分析

【直接原因】

 ・標高650m辺りから東にのびる尾根に迷い込み、生きづまった先の崖からの転落。


【間接原因】

 ・登山届の提出有無不明 ・地域は沢沿いや岩場なども多く、技術的困難性を

  含む可能性あり



 

4.対応・捜索活動

・初動対応 大家さんが防犯カメラを確認後、警察および各関係機関へ通報


・相談。 SNSを通じて情報提供と支援要請を実施。


・家族による対応 ご家族が周辺山域へ訪れ、現地捜索に加わる旨を表明(5月14日から)。


・捜索体制 警察、各関係機関、民間の協力者らが捜索。


・注意喚起(SNS内) 山の専門知識を持たない一般人の無理な捜索参加に対しては慎重な姿勢。 熊出没や寒暖差、滑りやすい地形への警告も多数寄せられる。

 

・ 5月18日(日)より民間捜索隊マウンテンワークスによる捜索により、北尾根登山道から東側にのびる迷い尾根の崖下で遭難者のご遺体を発見。

山頂から北尾根登山道への分岐。北尾根登山道自体は正規の登山ルートに比べて登山者の数は殆どなくなる。しかし、旧道、廃道だが藪もなく歩きやすい。
山頂から北尾根登山道への分岐。北尾根登山道自体は正規の登山ルートに比べて登山者の数は殆どなくなる。しかし、旧道、廃道だが藪もなく歩きやすい。
標高650m付近の登山道沿い。踏み跡沿いに進めば良かったのだが、標高を下げて行く内にいつの間にか尾根のから外れて行ってしまったと思われる。
標高650m付近の登山道沿い。踏み跡沿いに進めば良かったのだが、標高を下げて行く内にいつの間にか尾根のから外れて行ってしまったと思われる。
発見現場
発見現場


5.捜索エリアと発見場所

入山口:S   下山予定地:G

青線:遭難者が計画していた登山ルート(登り・下り)

赤線:遭難者が実際に歩いたと推定されるルート(下山時)


✖印:遺体発見地点

緑線:民間捜索チームによる捜索範囲

1.概要

【捜索現場の地形】

山域全体が紅葉樹林帯だが、日当たりの良いところは針葉樹の植林地帯もある。また人の歩かれていない場所は低木が生えており藪で歩きづらい。登山道は斜面をトラバースしたり、尾根を歩いたり、沢沿いを歩いたりと狭い山域の中に複雑な地形が入り組んでおり、大変迷いやすい地形である。




2. 発生状況と経緯

・11月28日(火):日帰り登山として入山。

 → 警察による車両追跡から、入山時間は11〜11時30分と推定。

 → 登山計画書未提出、山岳保険未加入、軽装(スニーカー・雨具不携行の可能性)。

・11月29日(水)朝7時30分:女性よりご家族へ「雨が降って野宿した、今から降りる」と

 のメール。

 → その日中の帰宅を想定するも帰宅せず。




3. 原因分析

【直接原因】

 ・沢沿いの下山ルートで道を誤り、滝の高巻き中に滑落したことによる死亡。


【間接原因】

 ・登山計画書未提出および位置情報アプリの未使用。

 ・気象条件の悪化および適切な退避判断ができなかった可能性。

青矢印へ少し上り返して進むのが正規ルート。赤矢印に進むと沢沿いに下り滑落した滝に出くわす。  
青矢印へ少し上り返して進むのが正規ルート。赤矢印に進むと沢沿いに下り滑落した滝に出くわす。  


4. 対応・捜索活動

【警察による捜索】

 ・11月30日(木)女性からの電話の翌日、捜索初日:ご家族が警察に連絡。

  麓のキャンプ場に車を確認。

  → 警察が2ルートから入山し捜索。山頂付近でビバークした可能性、

  滑落痕は雨で消失した可能性を指摘。

 ・12月1日(金)捜索2日目:雨天のため捜索中止。

 ・12月2日(土)捜索3日目:みぞれのため捜索実施なし。車両のみ回収。


【民間捜索隊による捜索】

 ・12月3〜5日:民間山岳遭難捜索隊「マウンテンワークス」による捜索が実施。

  → 捜索3日目の12月5日、ご夫婦を発見。

  → 沢沿いの登山道を間違えて下山し、滝の高巻き中に滑落して死亡したと推定。

発見現場の様子
発見現場の様子
滝右側の斜面より滑落したと思われる。
滝右側の斜面より滑落したと思われる。


5.捜索エリアと発見場所

入山口:S   下山予定地:G

青線:遭難者が計画していた登山ルート(登り・下り)

赤線:遭難者が滑落したとされるルート(下山時)

✖印:遺体発見地点

緑線:民間捜索チームによる捜索範


1.概要


【捜索現場の地形】

山域全体が針葉樹林帯と広葉用樹林帯で分かれている。広葉樹林帯の沢沿いは落ち葉の下に浮石もあり非常に歩きずらい。細い尾根では岩尾根となっているところもある。



2. 発生状況と経緯

男性は2023年7月下旬に単独で登山を開始。

その後、連絡が取れなくなり、翌7月3日に家族が警察に捜索願を提出。

警察および民間捜索隊による捜索の結果、7月6日、登山道から約100メートル下の崖下で遺体を発見。

7月下旬、DNA鑑定により身元が確認された。



3. 原因分析

【直接的原因】:登山道からの滑落

【間接的原因】:地形の急峻さと登山道の不明瞭な箇所



4. 対応・捜索活動

・初動対応:家族による捜索願提出後、警察による捜索開始。

・民間捜索活動:民間山岳捜索会社が加わり、捜索を実施。

・同山域では同年初春ごろにも民間捜索隊により、別の登山者の滑落による死亡事故案件が解決に至っており、滑落した登山道および、遭難者発見現場は前回と全く同じ場所であった。今回の案件が短時間で発見に至った経緯として、捜索エリアの第一候補が前回の遭難者発見現場だったことが挙げられる。

・遺体発見:捜索開始から4日後、崖下で遺体を発見。遺体発見現場上部の斜面には遭難者の持ち物が散乱していた。



5.捜索エリアと発見場所

入山口:S   下山予定地:G

青線:遭難者が計画していた登山ルート(登り・下り)

赤線:遭難者が滑落したとされるルート(下山時)

✖印:遺体発見地点

緑線:民間捜索チームによる捜索範囲

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