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四国地方 某山域1(2025年6月下旬発生)

  • 執筆者の写真: 陽介 深澤
    陽介 深澤
  • 8月13日
  • 読了時間: 2分

更新日:11月12日

1.概要

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【捜索現場の地形】

・本山域は通常、遭難事例が少なく道も比較的明瞭であるが、多数の登山道・支道が存在し、沢沿いや尾根に迷い込むリスクもある。植生は濃く、一部にゴルジュ帯や崖地形が見られ、滑落・転落の危険がある地形となっている。

 

 


2. 発生状況と経緯

・遭難者は2025年6月下旬、麓のバス停付近の南側の登山口から入山。この日、本人のスマートフォンで10時に最後の通信記録と位置情報が確認された。


・その後、連絡が途絶え、同日中に通報・捜索が開始された。位置情報や周辺聞き取り等から、登山口から反対側の北側の登山口へ抜ける予定でおり、迷い込みや不明瞭な尾根ルートへの逸脱が疑われた。


・7月上旬、現地で警察と民間有志の合同捜索により、沢の滝下で遺体を発見。滝上には靴やザックが残されていた。


・遺体の発見された約500m上流には登山道に沢が交差しており、渡渉ポイントとなっている。対岸にはピンクテープがあり登山道の目印となっているが、登山道自体ははっきりとせず、川幅の広い沢沿いに誘導されてしまった可能性が考えられる。

迷い込みポイント・動画

 

 

3. 原因分析

【直接原因】

・滝付近での滑落と推定される。 靴やザックが滝上に残されており、裸足での渡渉中に滑落した可能性が高い。

 

【間接原因】

・地形的に沢への誘導が生じやすく、分かりづらい分岐・踏跡の存在。

 



4. 対応・捜索活動

・6月下旬:通報を受け、警察・消防により初動捜索開始。


・7月:YAMAP、ヤマレコ等の協力により活動履歴や目撃情報の収集。


・ヘリによる上空捜索、警察犬の導入も実施されるが手がかり無し。


・民間有志による現地捜索が複数回行われ、警察とも連携。


・7月上旬民間捜索隊による4日目の捜索により、会社貸与のスマートフォンの位置情報をGoogleアカウント経由で取得。(警察からのGPS 情報の提供あり)


・この情報を元に山頂、西側の沢筋を捜索し、登山道から約200m離れた川の滝壺で滑落遺体を発見。

 


 

5. 捜索エリアと発見現場

地形図
地形図

【地形図・凡例】

入山口:S   下山予定地:G

青線:遭難者が計画していた登山ルート(登り・下り)

赤線:遭難者が実際に歩いたと推定されるルート(下山時)

✖印:遺体発見地点

緑線:民間捜索チームによる捜索範囲

 


3Dマップ
3Dマップ

【3Dマップ・凡例】

入山口:S   下山予定地:G

青線:遭難者が計画していた登山ルート(登り・下り)

赤線:遭難者が実際に歩いたと推定されるルート(下山時)

✖印:遺体発見地点

黄色線:民間捜索チームによる捜索範囲



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