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関東地方某山域(2025年5月発生)

  • 執筆者の写真: 陽介 深澤
    陽介 深澤
  • 6月18日
  • 読了時間: 3分

1.概要

【捜索現場の地形】

沢沿いの登山道にはわさび棚があり、林業用の仕事道以外にも踏跡が所々に見られる。登山道を外れた所では急斜面や巨岩などもあり、地形図だけでは読み取れない地形の複雑な山域である。また、登山口周辺はキャンプ場や釣り堀もあり、登山者以外の利用も多く、地域の方の生活の一部である里山といえる。

 

 


2.発生状況と経緯

・5月3日(土)午前5時頃「登山へ行く」と言い残し、自宅を出発。 建物の防犯カメラに

 より、午前5時の外出が確認されている。 以降、本人との連絡が取れなくなる。


・5月9日(金) 滞在先の大家さんがSNS内のグループにて、遭難者の行方不明を公表。 す

 でに警察に通報済みであり、各関係機関へも相談済。


・5月13日(火) 行方不明から10日が経過。大家さんが再度SNSに投稿。 各関係機関及び

 警察が合同で捜索を行っていると説明。 遭難者のご家族も、翌14日朝からの捜索に参加

 予定と報告。 一般協力者に対して「山域の最寄駅に集合」と呼びかけが行われた。


・5月14日(水) 関係メディアが本件を一斉報道。 関心が高まり、ネット上で捜索協力や

 登山アドバイスが相次ぐ。

 


 

3.原因分析

【直接原因】

 ・標高650m辺りから東にのびる尾根に迷い込み、生きづまった先の崖からの転落。


【間接原因】

 ・登山届の提出有無不明 ・地域は沢沿いや岩場なども多く、技術的困難性を

  含む可能性あり



 

4.対応・捜索活動

・初動対応 大家さんが防犯カメラを確認後、警察および各関係機関へ通報


・相談。 SNSを通じて情報提供と支援要請を実施。


・家族による対応 ご家族が周辺山域へ訪れ、現地捜索に加わる旨を表明(5月14日から)。


・捜索体制 警察、各関係機関、民間の協力者らが捜索。


・注意喚起(SNS内) 山の専門知識を持たない一般人の無理な捜索参加に対しては慎重な姿勢。 熊出没や寒暖差、滑りやすい地形への警告も多数寄せられる。

 

・ 5月18日(日)より民間捜索隊マウンテンワークスによる捜索により、北尾根登山道から東側にのびる迷い尾根の崖下で遭難者のご遺体を発見。

山頂から北尾根登山道への分岐。北尾根登山道自体は正規の登山ルートに比べて登山者の数は殆どなくなる。しかし、旧道、廃道だが藪もなく歩きやすい。
山頂から北尾根登山道への分岐。北尾根登山道自体は正規の登山ルートに比べて登山者の数は殆どなくなる。しかし、旧道、廃道だが藪もなく歩きやすい。
標高650m付近の登山道沿い。踏み跡沿いに進めば良かったのだが、標高を下げて行く内にいつの間にか尾根のから外れて行ってしまったと思われる。
標高650m付近の登山道沿い。踏み跡沿いに進めば良かったのだが、標高を下げて行く内にいつの間にか尾根のから外れて行ってしまったと思われる。
発見現場
発見現場


5.捜索エリアと発見場所

入山口:S   下山予定地:G

青線:遭難者が計画していた登山ルート(登り・下り)

赤線:遭難者が実際に歩いたと推定されるルート(下山時)


✖印:遺体発見地点

緑線:民間捜索チームによる捜索範囲

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